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【 平成19年 第1号 (2007.8) 】 20年ぶりの大阪での開業

 平成18年10月に開業して、早くも10ヶ月が過ぎました。
 長い間くじら通信を立ち上げることができませんでしたが、私自身にまつわる話・スタッフ紹介・医学的な話
などを取り上げていきたいと考えています。
 まず第1号として、大阪小児科医会会報の「会員の声」という欄に投稿したコラムを一部改めて
載せました。

                              20年ぶりの大阪での開業

 河島英五さんの歌の一節ではありませんが、「大阪で生まれた男やさかい(堺)」
堺市北区の北花田に昨年10月クリニックを開きました。
 神戸大学を卒業するまでの24年間を大阪市内(天下茶屋)で暮らし、その後の20年は
兵庫県を寝床としていました。
 勤務していた病院とは離れた場所で開業することをパラシュート開業と言いますが、
自宅から電車を乗り継いで2時間近くかかる場所を選んだ私の場合、さしずめ大陸間弾道ミサイル
開業とでも呼んだ方がいいのかもしれません。
 もしも現在が安土桃山時代だったならば、堺の先生方からは異国から南蛮船でやってきた
伴天連さんのように見られるのではないかと心配していました。
 しかし、先輩の小児科の先生方に会合などで色々と声をかけていただき、私の杞憂だったことが
わかりました。
 現在は引越しましたが、子供の学校の関係で通勤に1時間ほどかかる場所です。
 北花田の近くに住めるのは5年後の予定です。
 勤務医時代は病院まで徒歩15分の環境でしたが、満員電車で押し合いへし合いの身となりました。

見知らぬ場所での開業のため、病院との連携がスムーズにいくかも不安でした。
 幸い近隣の三病院(阪南中央病院・大阪労災病院・市立堺病院)の先生方に親切にしていただき、
本当に感謝しています。
 特に当医院は日曜診療をしていますので、日曜日の入院をどこの病院にお願いするかが
問題でした。
 しかし、その問題を解決できないまま日曜診療に猪突猛進していたのです。
 この無謀な伴天連(私)を哀れに思ったのでしょうか、神が救いの手を差し延べてくれました。
 なんと、医院見学会の日に阪南中央病院の地域連携室の方がお見えになり、日曜日の入院も
大丈夫ですよと説明してくださったのです。
 そのお言葉に甘えて、阪南中央病院の先生方には本当に無理ばかりお願いしています。
 私も開業前は小児の二次救急と
NICUを兼ねる病院に勤務していましたので、
立場が反対になった今は、病院勤務の先生方の献身ぶりに本当に頭が下がります。

 話は変わりますが、クリニックは地域の方々に少しずつ信頼されてきたようで、大阪流に言うと
「ぼちぼちでんな」ぐらいの状態になってきました。
 今年の1月には20年ぶりに今宮戎のえべっさんに出かけ、医院の経営が順調にいきますようにと
お願いしてきました。
 そこで福笹をもらい縁起物をつけてもらおうと思ったのですが、縁起物がひとつ2,000円から
5,000円するというのを初めて知りました。
 ある程度見栄えがする福笹をこしらえようとすれば、30,000円ぐらいするではありませんか。
 まだ開業して間がない私にとって、通天閣(清水寺の舞台)から飛び降りるぐらいの勇気が必要
だったのですが、とうとう飛び降りることはできずに、縁起物の全くない福笹だけ(つまり「タダ」です)を
家に持って帰り、妻に大笑いされました。
 その後インフルエンザの流行が遅れたこともあり1月の来院数が落ち込み、えべっさんの祟りかと
本気で心配しました。
 これからも地域の人たちに愛される小児科クリニックになるように努力して、来年は縁起物をたくさんつけようと思っています。